慢性活動性EBウイルス感染症とは 成人の9割が所持

昨年10月、38歳の若さで急性した声優の松来未祐さんの訃報に驚かされました。
当時は死因が公表されていませんでしたが、12月に松来さんのブログで「慢性活動性EBウイルス感染症」であったと所属事務所が病名を明らかにしています。
耳に馴染の無いこの病気について調べてみました。




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松来未祐さんとは 

81プロデュースに所属していた女性声優。広島県出身。

「まつらいさん」などの愛称でファンに親しまれていました。
ひだまりスケッチの吉野屋先生やハヤテのごとくの鷺ノ宮伊澄、這いよれ! ニャル子さんのクー子などを演じてきました。

30代後半になっても独身であることから「結婚出来ない声優」としてネタにされており、女性声優が結婚するたびに松来さんの名前が挙げられる等の恒例行事があったことも、まだ記憶に新しいでしょう。

慶應義塾大学に通う傍ら、日本ナレーション演技研究所で演技を勉強をして声優になられた松来さんですが、2015年10月悪性リンパ腫によりこの世を去りました。享年38歳でした。

一時は死因等の公表がありませんでしたが、四十九日後の12月15日、遺族から病名公表の要望があり慢性活動性EBウイルス感染症出会ったことが発表されました。
詳細は松来さん本人のブログに綴られています。
http://matsukimiyu.exblog.jp/




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慢性活動性EBウイルス感染症 難病指定はまだ

松来さんが患っていた「慢性活動性EBウイルス感染症」、(Chronic Active Epstein-Barr Virus infection : CAEBV)はEBウイルスと呼ばれるウイルスが体内で増殖を続けることにより、最終的に多臓器不全や悪性リンパ腫などを発症してしまう高い致死率を示す疾患です。

100万に1人と言われるほど症例が少なく、研究がほとんど進んでいないことが現状です。

EBウイルスは実は日本人の90%以上の人が幼少期から思春期にかけて自然に感染しているウイルスです。
しかし多くの人は体内で抗体が生成され、風邪症状として現れるたけで数日で完治してしまいます。
そのためほとんどの人が過去にEBウイルスに感染して、抗体を持っている状態なのです。

体内で慢性的にウイルスが増殖して免疫制御が出来なくなってしまうことがあり、これが松来さんのような稀なパターンとなります。

発病する人としない人の違いは明らかにはなっていません。
しかし一説にはCAEBVの人は蚊にさされた後に皮膚に過剰な反応が起こる(蚊アレルギー)事が多く、「蚊アレルギー」との関連が指摘されています。

 

原因不明の高熱 発見が遅れやすい

松来さんは2013年頃から原因不明の高熱が出ることがあり、2015年の正月には首のリンパ節が腫れる症状も見られたとのことです。

しかしながら検査を受けても診断は「異常なし」で、CAEBVと診断されたのは7月、亡くなるわずか3か月程前のことでした。

この病気はアジア地域での症例が多く、欧米では少ないため研究が遅れており、医療関係者の認知度も低いです。
そのため診断と治療が遅れてしまうのが現状で、広島県福山市の19歳の少女が発症から半年で亡くなる例もありました。
最初は風邪と診断されていたとのことです。

 

治療法

現在CAEBVの治療法は確立されていません。

炎症を抑えるステロイド剤や抗がん剤の投与が一般的ですが、根本的な治療とは言えません。
現在最も有効と言われているのは正常なリンパ球を増やすための骨髄移植ですが、成功率は低く、予後の悪い病気です。

 

難病指定を求めて

2015年3月、CAEBVの患者団体「SHAKE」は難病指定を求めて署名を集め厚労省に提出しましたが、残念ながら難病指定の選定から外れてしまいました。

松来さんのご遺族が公開に至ったことも、この病気の周知と難病指定を求めてのものでした。
また松来さんご本人も元気になったら手記を発表し、CAEBVの認知を高めたいと友人に話していたそうです。

CAEBVが難病指定されれば、2~3万円かかる自己負担の検査費が軽減され早期発見に繋がる可能性が高くなります。
また医師間での周知・治療にも結び付きます。

指定難病の定数はわずかですが、この病気の研究が進み、いつの日か治療法が確立され「ほぼ完治可能」という疾患になることを祈るばかりです。

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