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知的障害や発達障害を持った人の中には、通常では考えられない驚異的な才能を持った「サヴァン症候群」と呼ばれる能力を発揮する人がいます。
今回はそんな彼らが作る作品をまとめてみました。
Contents
サヴァン症候群とは
知的障害や発達障害をもつ者のうち、特定の分野において優れた能力を発揮する症状のことです。
・円周率を何百桁も暗唱出来る
・一度聴いた音楽をピアノなどで再現出来る
・並外れた暗算能力を持つ
・一度見たものを何年経っても正確に記憶している
など、どのような形で現れるかは人によって異なりますが、一般では考えられない驚異的な能力です。
原因は未だ特定されていませんが、事故などによる後天的脳損傷患者にもサヴァン症候群の症状が見られる場合があることから、脳の変形症との関連があるのではないかと研究されています。
患者は脳の左半球に異常・損傷がある場合が多く、その欠陥を補うために右半球が常人とは違う発達をしたのではないかと考えられています。
盲目の人が気配や音に対して健常者よりも敏感、聴覚障害者は優れた視覚を持つと言ったように、人は何かを所持していなかったり失ってしまったりすると、何らかの方法で補おうとするのです。
人体にはまだまだ不思議がいっぱいですね。
およそサヴァン症候群の患者は自閉症患者に1割と言われているため、およそ10人に1人の自閉症患者と言うことになります。
また知的障害者、後天的な脳損傷疾患者では2000人に1人の割合でみられるとのことです。
1988年、サヴァン症候群患者キム・ピークをモデルとした映画『レインマン』で、人々に知られることとなりました。
近年では2012年に放送された『ATARU』(TBS)や、アニメ『残響のテロル』(フジテレビ)などサヴァン症候群を扱った作品の放送や、バラエティ番組で紹介される機会もあるため、なかなかに知名度の高いものとなりました。
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サヴァン症候群の人が描く絵
サヴァン症候群は計算、音楽、芸術といった部門でその才能を発揮しますが、今回はその中の一つ「絵」にスポットを当ててみたいと思います。
サヴァン症候群の中には絵で優れた才能を開花する人がいます。
「裸の大将」として知られる山下清は旅をしながら多くの作品を残しましたが、その多くは旅先ではなく家へ帰ってから記憶を頼りに作られたものです。
彼は見たものを長期的にかつ正確に記憶出来る能力をもっており、サヴァン症候群であった著名人として知られています。
では、現代にはどんな方がいるのでしょうか?
写真かと見間違える絵を描く 鉄道画家福島尚
これ写真だよね?
え……写真じゃない!?
埼玉県日高市に住む福島尚(ひさし)さんは写真のように緻密な絵を描く鉄道画家です。
自閉症であり、幼い頃から人とのコミュニケーションは苦手だったようですが鉄道が大好きで、列車や踏切、信号機など鉄道に関する絵を描き始めたとのこと。
彼も山下清と同じで、作品を実際に作るのは実家で、記憶だけを頼りに下書きもなく作品を創り上げて行きます。
また、小学校の頃はボール紙でクラフト作りをしており、現在でも設計図を自分で書き、すべて自己流で作っているそうです。
雑誌などでみた列車の構造が全て頭の中に入っているのでしょうね。
何をとっても驚異的な記憶力としか言いようがありません。
現在でも鉄道をテーマに創作活動を行っており、市内のカフェに常設展が設けられています。
http://galeriadecafelimon.web.fc2.com/
(こちらから公式ページを見ることが出来ます)
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5歳の天才画家 アイリス・グレース
2歳の時に自閉症だと診断されたアイリス・グレースちゃんはしゃべることも出来ず、両親と目を合せることもしませんでした。
そんな彼女の両親が少しでもアイリスちゃんを社会に溶け込ませようと行った治療の一つが、絵を描かせることだったのです。
それがとても効果的で、瞬く間にアイリスちゃんは大人が注目する程の絵を描くようになりました。
また、彼女自身も絵を描くようになり状態も安定し、両親との積極的に関わるようになりました。
これが5歳児の描く絵でしょうか? 言われなければ到底想像もつきません。
まさに天才的な色彩センスと独特な発想力です。
因みにアイリスちゃんがイーゼルキャンパスではなく平面で絵を描いているのには、彼女が幼いからという理由ではない別の理由が存在します。
彼女が初めてキャンパスに筆を走らせたとき、イーゼルに立てかけられていたため絵具が垂れてしまったそうです。
それをみたアイリスちゃんは怒り泣き叫んでしまいました。
彼女なりのこだわりがそこにはあった様で、以降彼女の母親はキャンパスを立てかけるのではなく、水平にして絵を描かせる様にしたのです。
現在ではアイリスちゃんは7歳程になっていると思います。
自然の中でのびのびと絵を書き続けているのでしょうか?
障害を抱えて生きていくことは大変なことでしょうが、早くから評価された才能を潰すことなく彼女が活躍できることを祈るばかりです。
記憶だけで生み出す白黒の世界 スティーブン・ウィルシャー
スティーヴンさんは一度見た風景を記憶だけで絵に描き起こすという才能を生かして、建築画家として活躍しています。
3歳の時に自閉症であることが診断され、6歳になるまで他人とのコミュニケーションがほとんど取れなかったのです。
しかし、絵を描くことによりだんだんと他人との関わりが出来るようになりました。
今ではイギリスを代表するアーティストとして自分のギャラリーを持つほどになりました。
この絵は彼が一度東京に訪れ、上空をヘリコプターで飛んだ後に描いたパノラマ絵の一部です。
以前には15分ロンドンの街上空を飛行しただけで、ロンドンの街を細部まで再現することも行っています。
さらに、20年前に行った凱旋門を記憶だけで描きあげることも出来たのです。
彼もまた、驚くべき映像記憶力によって風景を緻密な絵で再現することの出来るサヴァン症候群の一人なのです。
自閉症という治療法の無い先天性の障害を持ち生まれてきた彼ら。
しかしサヴァン症候群によって授けられた類まれなる才能は、時に健常者が羨む程素晴らしいものでもあります。
皮肉なようですが彼ら自身も、自らの能力によって外社会と関わり、豊かな人生を送ることが出来ていることもまた事実なのです。